497人が本棚に入れています
本棚に追加
「……アンタみたいな女に同情なんてされたくない。私のことバカにしないで」
「繭子……」
全ては私のせい、だったんだ……。私が繭子から翼を奪ってしまったことが全ての原因だったんだ。
私は自分さえも不幸にしていたんだ……。自分が幸せだと思っていたのは、ただの勘違いだったんだね。
翼と結婚したこと自体、間違っていた……。私は翼とは結婚してはイケなかった。
これが現実か……。これが不幸になるってことなんだね。
「繭子……私の方こそごめんね。繭子のこと、傷付けてごめん」
私も繭子のことを傷付けていた。その事実に変わりはない。
「……私たち、もう終わりだね」
私たちはもう友達でもなんでもない。だから親友でもない。
そして繭子は、私に対して涙目になりながら「アンタとはもう友達でもなんでもない。これでお互いにスッキリするね。……じゃあ、さようなら」と言って、そのまま私の前からいなくなったーーー。
「翼……今でもありがとう」
「ああ、こちらこそ」
「……元気でね。身体に気を付けてね」
「……柚衣もな」
そしてその翌日、私たちは離婚届を役所に提出し、正式に離婚した。
そして私たちは、また新たな人生を歩んでいくーーー。
『END』
最初のコメントを投稿しよう!