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【ねぇ繭子、ちょっと相談があるんだけど】
【何？どうした？】
【夫がさ、不倫してるみたいなの】
【ええっ！？ 柚衣の夫が？】
繭子のこの何も知らない風のリアクションには、さぞかし驚かされた。
翼が私の夫だと知っていて、繭子は夫と不倫しているというのに……すごく堂々としているし。
【うん。……不倫相手とラブホテルに入る所、たまたま見ちゃって】
【え、それ本当に旦那さん？】
【うん、夫だった。……間違いなく、夫だった】
私がそう言った後、繭子は私を慰めてくれたけど、私にはそれが妙に腹が立った。
アンタ私の夫と不倫してるでしょ？ そう言えたら、どれだけ楽なことか……。
【そっか……】
【ねぇ繭子、私離婚した方がいいかな？】
【離婚……ねぇ】
繭子はきっと、私が離婚した方がいいのか聞けば、必ずこう答えると思った。
【一回不倫した男はまた不倫すると思うよ。そうなる前に、離婚した方がいいと思う】
案の定繭子は、思った通りにそう答えた。
【そうだよね……】
【子供がいない今が離婚するチャンスだよ】と繭子は言う。
……どの口が言ってんのよ。と思うけど、それは口には出さないでおく。
【柚衣が離婚したいと思うなら、私は柚衣のこと応援するよ】
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