夫婦での東京行きは、リベンジの仕上げ

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 喜多製菓の社員食堂は外部の人間は入れないが、美里は北海道支社の社員なので関係者になる。当然、社員食堂で食べて問題ない。  社員食堂に子供たちが入れるか分からないが、本社の総務部に確認すればいい。  「学校大丈夫かな」  宏夢が小学生の時は、体調不良やどうしても、という用事以外で休んだ記憶がない。美里は有給休暇を使用するとして、大丈夫だろうかと思ってしまう。  「親の用事って言えば大丈夫でしょ。子供だけにするのは問題だって。お母さんたちいるけど、今回は忙しいってことにして」  美里の言葉に宏夢は賛成した。  「確かに、両親の用事に連れていって大丈夫か。  それに、本社に行くのは本当だしな」  宏夢の会議中だけ、三人でどこかに行ってもらえれば業務の邪魔にもならない。  「それじゃ、家族で本社の見学だな」  「パパは会議でしょ」  笑いながら美里が言うから、宏夢も苦笑するしかなかった。
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