夫婦での東京行きは、リベンジの仕上げ

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 今の支社長が温厚な人物なので、北海道支社の社員同士の関係も良好だ。  それでも、規則に厳しい経理だったら、宏夢だけ別の部屋に宿泊となっていただろうから、本当に助かる。  ただ、経営会議に合わせて家族で東京に行くのは今回だけと思うから、特別扱いも一度きり。だから、ありがたく受けた部分もある。  なので、家族が乗る飛行機も宿泊するホテルも自分たちで予約して、支払いも宏夢と美里。  後日、給料という形で宏夢に掛かった費用だけが返ってくるわけだ。  今日は家族だけで過ごして、明日は、宏夢は会議で、美里たちは本社から遠くないところにいる予定だ。  昼の休会中に社員食堂でランチ。本社の総務部に問い合わせて、社員の家族は利用可能との返答をもらったので、子供たちを連れていける。  そして、夜は大場夫妻と子供に会うことになっている。  社員食堂で可能なら、一美たちが可愛がっている酒井(さかい)正悟(しょうご)という男性と、その婚約者で、美里とも微妙に関係する秋村恵理という女性にも会うつもりだ。  美里が会ってみたいそうだ。
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