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「あの……はじめまして。
一美さんと輝明さんにはお世話になってるんです」
身体の大きな後輩が、緊張しながら挨拶する姿は微笑ましい。美里も優しい表情で見守っている。
だが、この穏やかそうな青年は、将来を期待される社員でもある。
喜多製菓の定番商品になった、季節の花を象ったクッキーシリーズは、彼の企画から始まっている。
他にも、数種のケーキも企画していて、今年の年度初めに主任へと就いた。
本社内では、近いうちに製品企画部の幹部に昇進すると思われているらしい。
宏夢の想像するエリートは輝明のような男性だったが、能力は見た目で分かるわけはない。
逆に、見た目が良くても中身が残念すぎる男も存在した。
そんなことを考えながら、宏夢は正悟に挨拶を返した。
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