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「美里のお母さんは東京だから、喜んで復帰を受けると思ったわけですか。彼女、東京に戻っても工場がいいって言ってましたけどね。
でも、あれだけ悪く言ってたのに、今さら何を考えてそんなことをしてるんでしょう」
宏夢の言葉に一美から、ためらう雰囲気が伝わってきた。嫌な予感しかない。
=これも多分ですけど……美里と復縁したいということじゃないかと。まぁ、結婚しましたから、不倫相手になってくれということになりますよね。
山本さんのお嬢さんとの結婚生活は相当疲れるみたいですね。メンタルが=
今すぐ東京に行って耀士を殴りたいと、宏夢はさらに本気で思った。
「すいません。僕の代わりにその男を殴ってもらえませんか。
懲戒処分はきちんと受けますから」
正直な気持ちを言うと、一美が苦笑した。
=さすがに、それはマズいですよ。
もっと効果的な方法で報復したいんです。それに、そろそろ美里、限定申請出すんですよね=
相手には見えないが、宏夢は頷いた。
彼の東京出張が終わってから提出の予定だ。
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