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最初のリベンジは、社員食堂での婚約発表
「何か買ってきてほしいものある？」
宏夢の言葉に美里は少し考えていたが、苦笑しながら首を振った。
「特に浮かばないな。こっちのスイーツ美味しくて、結構隠れて買ってるからね」
スイーツメーカーの社員になると、他の店の商品が美味しいと、社内では言いづらい。
彼もかなりスイーツが好きだから、自分の会社の商品以外は絶対に食べないということはない。実際、美里と一緒に他社のスイーツをよく食べる……
子供の頃からスイーツ好きだった宏夢は、喜多製菓にエントリーを送って見事に内定をもらった。
だが、内定と同時に、地域限定正社員制度を利用すると申し出たら……何回、人事の人間と面談したことか。
こんなに面倒なら、地元の企業を選べば良かったと少し後悔したくらいだ。
それでもなんとか無事に限定申請が通って、彼は自宅から勤務することになった。
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