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とある屋敷の一室。黒髪の少年の人形が、棺に入った姿で飾られていた。
その棺に、別の人形が入れられ、黒髪の少年の隣に並べられた。
少し汚れたような服装で、寝癖だろうか、赤茶色の髪はところどころはねている。この人形は、いまは亡き著名な人形作家が作り上げ、最期まで手放さなかった人形だった。
ぱちり、と、黒髪の人形が目を開く。静かな室内に、小さな鼓動が響く。
彼は起き上がり、隣に並ぶ赤茶色の髪の少年を見て驚き、小さく名前を呟いた。
ぱちり、と、名前を呼ばれた人形も目を開けた。黄色の瞳は光を受け入れ、輝く。
赤い瞳と、黄色の瞳がぶつかる様は、まるで星が輝き合うかのようだった。
やがて黒髪の少年が、赤茶色の髪の少年を抱きしめた。赤茶色の髪の少年も、強く抱き返す。
愛が混ざり合い鼓動を刻む。鼓動は重なり一つになる。
『生き返った』二人は、手を繋いで棺から出た。
【吸血鬼人形クオーレ 終】
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