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橋の下へと
車はいくつものカーブを越えて
降りて行く
川沿いをしばらく走っていると
そこだけに
ポツンと建っている
3階建ての
ラブホテルに着く
言いたくないけど尋ねる
「泊まって、、、いくの?」
汐は腕をゆっくりと上に伸ばして
しんどそうに首を回す
あずさの意味ありげに含んだ言葉を
聞き入れないように
「あぁ」
と
ひと言だけ答えた
いつものことだが
諦めたように車を降りて
汐に付いていく
ズラリと並んだ部屋の写真から
さして選ぶ様子もなく
手頃な値段だけを見て
ボタンを押す
無機質な無神経な無関心な
素っ気ない部屋は
まるで自分たちのよう
キスもしないで
服を脱がされる
ズカズカと土足で押し入られる感覚が
我慢出来なくて
「待って。お風呂入りたい」
バスルームへ逃げる
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