れ い ん 。

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れ い ん 。

夕暮れ時、途方もない道を歩き続ける。 世間は相変わらず、僕が異常者かのように冷たい視線を浴びせる。 から、全てが変わってしまった。 今日のような、大粒の雨が降り注ぐ金曜日。 僕はあの日、になった。 顔も知らない誰かを殺したと、世間は僕を責め立てた。 人なんて、殺してなんかいないのに。 どう悪あがきしたって、もう元には戻れない。 全部、なくなってしまったから。 仕事も、住む場所も、生きる理由も、愛する人も。 このまま、生きていくしかないのだ。
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