山賊の時刻表

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人が初めて憧れたもの、何があるだろうか。 お母さんの笑顔、それとも心強いお父さんの存在かな。でも、お母さんが、お父さんがいない人だってたくさんいる。 君が初めて憧れた物って何だろう。 あの眼差しかな、希望に満ちているこの満天の夜空かな。 海と山、どっちが好きですか。そう聞かれても、 俺は、どちらでもない。両方とも好きでも嫌いでもない。どちらかというと、海かもしれない。 最初から興味なんて無い。 一言で済む話。それが不思議と心強い。 心にある、大きなクローゼット。一番上を開けると、心地よい笑い声。 「先生、お腹痛いんでトイレ行ってきていいですか?」 「ああ、分かった」 俺はトイレに向かってのそのそと、一秒でも時間潰すために歩く。 体育館中に響く、ロイター板を踏み切る音。その回数を数えるのかの様に、タイマーの時間も一刻と過ぎていく。 「跳び箱嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ」 心の中で授業の度に言葉を募らせる。 お腹を抱えてゆぅぅぅっくりとなぞるように目的地のトイレに向かう。 クソゥ、やはり、トイレに着いてしまった。 押して、扉を開けて、個室に入る。 お腹が痛いなんて嘘。俺は跳び箱が世界で七番目に嫌いだ。 跳ぶことに意味なんてないと思っている。 こんな自分に共感してくれますか。
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