風紀委員とライバル校

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「んでこっちがー、」 「第1学年代表の雫石沖史(シズクイシオキフミ)です。よろしくお願いします。」 なんとお辞儀の角度も素晴らしい、超しっかりしてる!!! 「え、えーと、第2学年代表の新城千明です。よろしくお願いします。って、迅、顔合わせするなら先に言えよな。」 この場にいるのは風紀委員会の役職持ちのみ。俺が新しく就任したからようやっと、てな感じだろう。 「へぇ千明くんか!わかんない事があったらなんでも聞くんだぞ!」 「あ、はい!ありがとうございます。」 来栖先輩に肩をバシバシと叩かれる。痛くはないけど。いやちょっと痛い。 「顔合わせも済んだところで、本題に入らせてもらう。」 俺たちは迅に促され、宇田川委員長の席の前にある対面式のソファセットに座る。 一気に雰囲気がピリッとし、真剣なムードになるのが分かる。やだちょっとかっこいい。 「今回の新入生歓迎会だが、基本的にいつも通り風紀委員が交代で警備にあたるが、今年は1つ問題が起きた。」 問題?こんなガチトーンで人払いまでするほどのことあるか? 「それってもしかして…梵ヶ丘関連?」 来栖先輩がさらにトーンを落として迅に尋ねた。それを聞いた途端、雫石君も「…!」みたいな顔をする。 「….お前まさか梵ヶ丘学園のことを知らないのか?」 「いや流石に知ってるけどさ、梵ヶ丘学園がどうかしたのか?」 「はあ?」 「え?」 迅と来栖先輩に同時に顔を向けられる。 え、え、なになになんでそんな顔すんの。 「…新城先輩、梵ヶ丘とうちが仲悪いの知らないんですか?」 「いや、知ってるけど。」 梵ヶ丘学園は近くにあるもう一つの金持ち学園。ここ大須賀学園と同じく幼少部から大学部まである学園だ。環境が似てるからか、お互いをライバル視しているらしい。大須賀学園は個性や自由を重視する校風なのに対して、梵ヶ丘学園は伝統的な校風を法律レベルで大事にし、格式高いゆえにプライドも高い。 だが他に、決定的な違いがある。それは… 共      学      校 であること!!!!!!!! これは許されるべき事態ではない。決してだ!!こっちはホモの巣窟とかいう意味のわからない環境だと言うのにあっちは金持ちで共学???すぐそばにかわいいJKがいるだと??????ずリィ!!!!! 「……先輩?」 「おいそこの1人百面相野郎。聞け。」 「いだっ!」 また迅に殴られた。このやろう!!!!! 「仲悪いって言ってもライバル視してるってだけだろ?それがなんなんだよというか殴るな!!縮む!!」 「あ〜実際はねえ、暴動が起きるくらいかなあ。出会ったらすぐにでも。」 「ええっ!?」 「特にうちは練習試合とかでも向こうにボロ負けでかなり鬱憤が溜まってるからね。出会って1秒でバトルだよ。」
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