平穏を望む俺と学園

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平穏を望む俺と学園

はーるのー うらーらーのー なーんちゃーらーのー…… とうろ覚えな何かしらの曲を口ずさんでしまうくらい、穏やかな春の日。 穏やかであって欲しい春の日。 「きゃああああああああああ!!!!」 「いつもよりお早い!?!きゃあああ!!!」 この学園では今日も 「生徒会の皆様ぁああああああ!!!!!」 クッッッッソたっかい悲鳴が轟いております。 そろそろ耳がおかしくなってきたかもしれない。この声量にもトーンの高さにも慣れてきてしまった。 俺はこの頭おかしい学園に通う頭のおかしくない(と思いたい)新城千明(シンジョウチアキ)。 少なくともこいつらよりはマシなはずだ。 このホモで女より女みたいな思考回路してるバカどもよりは。 私立大須賀(オオスガ)学園。名前だけはまだマトモなこの学園は、所謂王道学園と呼ばれるものだ。いや、らしい。 これは俺の友人から聞いた話であり大抵の事は「へー」で済ます俺でも「へー」で済まされなかった話なのだが この世には、小中高大(時には幼稚園まで)がエスカレーター式のマンモス校である男子校。しかもそのほとんどがホモである金持ちが通う都会とは離れた規模のおかしい学園があるらしい。 いや…はい?なんて?? 初めて聞いた時は情報量が多すぎて処理しきれなかった。さながら小学生の時女子が持っていた謎のローラー付きの消しゴムのように。 その友人は腐女子というものらしく、激しい情熱を注ぎながら電話口で熱く語ってきたが、その大半は俺の理解を越えているものでほとんどが右耳から左耳に流れていった。 辛うじて覚えていることをまとめると、 ・生徒会や風紀委員会の権力が強い。 ・主要役員の大概がイケメンであり、親衛隊持ちである。 ・それぞれ王道なキャラが転校生に堕ちる。 ・お決まりのイベントがいくつかある。 etc…… なにそれ?2次元?って聞いたら 『2次元だけど2次元じゃないのよ!!あんたが通う学園もね!ふざけてんの!?ありがとうございます!!!!!』 半ばキレられた。解せぬ。 『あ、そうそう!あんたその学園に通うんなら、私にその一部始終を定期報告しなさい!できるだけ詳細に、生徒会のメンバーとか王道転校生くんとかの関係をね!もちろんあんたにフラグが立った場合もきちんと教えなさいよ?』 んなもん立ってたまるか!!!!!!!!つうか定期報告?!誰がやるか!!!! 叫びたかったが叫べなかった。なぜなら 『もし定期報告を怠ったら…分かるわよね?』 「…………………………………………………はい。」 このお姉さん怖いよぉぉおおおおおお
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