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私はモニターと上杉さんを交互に見た。
「え、今の…」
「そうです、今のですよ…」
いや、そうじゃなくて、今の話は…。
「この彼女としても聞きたい様な、聞きたくない様な。でも付き合う事に有るといずれは聞く事になると思うし、それがしこりを残す事になるのであれば知っておきたい。なんて色々な事が一気に脳内に雪崩れ込んで来る。そんな感じなんじゃないでしょうか」
一気に捲し立てる上杉さんだったが、殆ど頭に入って来ない。
「その辺は男も女も同じじゃないでしょうか…」
上杉さんは私の顔を覗き込んで微笑んだ。
「あ、でもこれは、先生が私の事を好きって前提の話になりますね…」
私は考え込んでしまった。
「先生にも忘れられない元カノっているでしょう…」
上杉さんはゆっくりとソファに戻り座る。
「ほら、以前のカレーが嫌いな女性とか…」
以前に上杉さんにそんな話をしたことがあった。
私もコーヒーカップを持ってソファに移動する。
「人って、そうやって忘れられない人が増えて行くにつれて成長するんだと思うんです。特に恋愛に関しては…」
私は黙って頷く。
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