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「先生の奥さんは楽ですね…。何でも食べて戴けるので…」
上杉さんはお味噌汁と飲み、息を吐くとそう言った。
「あ、カレー以外はですね…」
カレー…。
そう私はカレーがあまり好きではない。
もう少し付け加えると、ハンバーグも苦手かもしれない。
子供が好きそうなモノが昔から苦手。
ただ、苦手なだけで食べれない訳では無い。
「上杉さんは嫌いなモノとか無いんですか…」
私は干物を食べながら訊いた。
「そうですね…。心太はダメですね…」
「と、心太ですか…」
まあ、あまり食べなければいけないシーンは思いつかない食べ物だ。
「あとは、メイプルシロップ…黒蜜…」
私はご飯を頂きながら頷く。
「こんな雨の朝も苦手ですね…」
そう言うと私の後ろに見える外の風景をじっと見ている。
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