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物音ひとつしない雨の夜。
聞こえてくるのは硝子窓を叩き、中に入れて欲しいような雨の呟き。
そして、キミの寝息だけ。
ボクがこうして雨の降る日にだけ、雨の降る夜にだけキミに会いに来るようになってどれくらいの時間が経ったのだろう。
キミは最初からボクを迎え入れてくれた。
まるで昔からボクのことを知っているかのように。
ソファに蹲るキミの隣にそっと座ると、嬉しそうに目を細めてくれる。
そんな思わせぶりな仕草を見せると、キミは甘えるようにぴったりとボクのそばに身体を寄せる。
心を通わせることが幸せだと感じる……。
雨の降る日はそばにいてあげる。
雨の降る夜はそばにいてあげる。一晩中……。
ねぇ、次にキミのそばに来れるのはいつだろう。
次の雨の降る夜はいつだろう……。
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