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頼りなげな街灯の明かりは淡く煌めくオレンジ色。
窓から見える雨に煙る街と、低く垂れこむ雲がオレンジ色のライトに浮かび上がる。
時折、濡れたアスファルトの上を走る車のヘッドライトが雨の糸を照らし、路面を眩しく浮かび上がらせていた。
街はひと時の静寂に包まれて、鋪道という鍵盤にメロディを紡ぐような雨音だけが耳に届く。
そんな夜にだけ……あなたの気配が忍び寄る。
雨の降る日はそばにいて。
雨の降る夜はそばにいて。
雨音とあなたの鼓動を感じていたいから。
ソファに寝転がるワタシの隣にそっと腰掛け、優しく頭を撫でてくれるあなた。
ワタシにとって至福の時だ。
ワタシはあなたに寄り添って甘える。一晩中……。
だって、次に会えるのは 雨の降る日だから。
雨の降る夜だけだから……。
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