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お母さんは夏葉を泣き止ませようと背中を擦った。
「夏葉、落ち着いて。これ飲みなさい。シュワシュワ飲みたかったんでしょう」
「……うん、うん、うん。飲み、飲みたかった。……る、るいるいも飲みたがって……たんだよ。それなのに、何、何か、あったの、かなぁ」
目の前で見たものがあまりにショック過ぎて夏葉の涙が止まらない。こんなに泣くのは中学の卒業式以来、それ以上かもしれない。
「夏葉、さっきの人が青山さん本人と決まった訳じゃないでしょう」
「う……ん。そうだけど……」
お母さんはキッチンへ行き、グラスに氷を入れて戻って来た。
「ほら、三人でシュワシュワ飲みましょう」
「……そうだな。ほら、夏葉泣き止んで」
「これ飲んだら、夏葉はゆっくりお風呂に入ってきなさいね」
「う……ん」
「さぁ、飲もう」
親子三人、ソファに座りシュワシュワコーラを飲んだ。
夏葉の飲んだシュワシュワは涙が混じって少し塩っぱい味がした。
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