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夏葉が部活を終えて帰宅すると、玄関にシュワシュワコーラ2リットル六本入のダンボールが積んであった。
「えっ、何これ。お母さーん」
夏葉がお母さんを呼ぶと、キッチンからエプロンで手を拭きながらお母さんがやってきた。
「これ、夏葉宛に届いたのよ」
「ウッソー!! 誰から?」
「信じられないんだけど、サニーフェイスの事務所から」
「えぇぇぇー?!」
夏葉がダンボールを数えると10ケースもあった。全部で60本。
この夏は買わずに好きなだけ飲める。でも……
「なんで?!」
「お母さんに、わかるわけないわ。でも、ひょっとすると昨夜の事が関係してるのかしらね?」
「……まさか」
あとね、と言ってお母さんがエプロンから封書のような物を取り出した。
「これ、何?」
「一緒に渡されたの。夏葉開けてみて」
「う……ん」
夏葉は自分の部屋に駆け込んで、机からハサミを取るとベッドに腰掛けた。
「これ、なんだろう。まさか、舞台のチケット……なんて、そんな出来すぎた話あるわけないよね?」
はやる気持ちを抑えながら、中身が切れないよう緊張しながら封を開けた。
「ん? なんだコレ!!」
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