『もの忘れ専門クリニック』

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一人の男が、 処方薬を受けとる。 もの忘れ専門クリニック。 処方されたのは、 『昨日の自分』 明日は、 『今日の自分』を 取りに行かなきゃ。 しかし、毎日いつまで 通えばいいのだろう。 医者に聞いてみた。 『いつまでもですよ  忘れたくないならね…』 そして今日も私は、 昨日の自分を取りに行く。 あるとき、医者たちの会話を聞いてしまう。 『家族が亡くなった記憶だけは 思い出させてはいけないので べつの記憶で上書きしている…』 じゃあ、この記憶は…。
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