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入ると温かい気持ちに包まれる喫茶店。
その店の珈琲は、
一杯飲めば、体まで。 二杯飲めば、心まで。
三杯飲めば、魂まで。 温まる。
そしてまた一人の人生に、疲れた客が。 珈琲を飲んだ瞬間、 先ほどまでの人生に絶望していた ことなんて忘れていた。
しかし、四杯目からは、 なぜか普通の珈琲だ。
店主曰く、 四杯目の幸せは、自分で見つけなさい。もうあなたはこの店に来なくても大丈夫。 そう言って笑う。
店を出た瞬間、振り返ると雨が降り出し店は跡形もなく消えるのだ。
夜霧に通りすぎていく車のテールランプが反射して雨降りの路地を照らす。
あともう少し、ここで雨宿りしていこう。
予報では、明日は晴れるみたいだから。
数分後、雨が上がった。
星がちらほらと瞬いている。
ほらね、とふといつの間にか笑顔になる。
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