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「はぁ? お前バカか?」
うるせぇな、マッチョ。黙れ!
「えん、我が儘言わず、大人しく馬に乗りなさい。公瑾様が困っていらっしゃるわ」
こうきん様! 王子イケメンはこうきん様と言うのか。……ふーん。あー、そう。特に興味はないわ。
「いや、……馬に乗ったことないし」
「またぁ。嘘をついて! あるでしょ! 早くなさい」
だいきょうさんに怒られた。いや、マジでないんだけど?
「お前の姉上は怖いな! ははっ」
マッチョが豪快に笑う。
姉上!? だいきょうさんはお姉さんなのか!?
あ、分かった! お姉さんだから大ね。わたしが妹だから小なのね。でもきょうって何よ?
「大丈夫だ。さ、乗れ」
仕方ないなぁ。
こうきん様に支えてもらってしぶしぶ馬に乗った。
高っ! 怖っ!! バランス取れない! 腰がグラグラする。
「本当に初めてなのか?」
「……そうですよ……」
「大丈夫だ。落ち着け」
こうきん様が私をしっかり支えるために身体を寄せてきた。近っ! 離れろ。
あ~、でもこうきん様、いい匂い…………。
「どうだ?慣れてきたか?」
「はい」
神様につけてもらった武芸の才が幸いしたのか、バランスの取り方が分かった。もう一人で乗れるかも!?
◇◇◇
こうきん様達は軍勢を連れて、自分達が拠点にしている大きなお屋敷に入っていった。
お屋敷の広場では捕まった人たちが一ヵ所に集まっていた。
全員が捕虜だそう……。えっぐ……。
「さぁ、勝利の宴だ!」
マッチョが号令をかけた。
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