2 うるせぇ! 

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 捕虜になった女性達は酒宴の席に連れてこられた。  房のついた赤い提灯が天井から会場を照らしている。床には行灯もあり、夜なのにそこそこ明るい。  敷物を敷いた上にはお膳が並べられていて、男達がずらっと向き合って座っている。その端の中央にはマッチョが、マッチョの左側に公瑾様が座っていた。  大喬さんはマッチョの横、私は公瑾様の横でお酌だ。  人見知りなのにたくさんの人。しかもほぼ男! どうしよう。怖い。  ……お酒を飲んでる男の人は特に苦手。恐怖さえ感じる。うぅ、逃げたい。でも今は逃げられる状況ではない。人が多すぎる。  それに、逃げたところでどうしようもない。この世界の事を全く知らないのだから。  すでに夜のお相手として連れて行かれた女性もいる。きつい……戦乱の世きつい……。男なんてろくでもねぇ。くそくらえ! 「……小喬? こぼれているぞ?」  なんで男の相手などせねばならないのか。このあと、夜のお相手とか言われたら急所を蹴って……。 「小喬? 怖い顔して考え事か?」  この上品で優しそうなお顔のイケメンに……?  「どうたのだ? 私が悪いのか?」  ──罪悪感が半端ない……。 「うなだれてどうしたのだ!? 悲しいことでもあったのか?」  今の状況が悲しい……。 「……やれやれ」  わたしが上の空でお酒を注ぎ続けるので、公瑾様はとっくりをわたしから奪って、こぼれたお酒を自分で拭いていた……。怒らないのね。  大喬さんは琴を弾いている。音も仕草も優雅で美しい……。マジ女神!  あれ? さっき公瑾様が大喬さんの音に反応した? 何? 大喬さん間違えた?  「おい、小喬! お前もなんか歌え!」  マッチョ……。酔ってるな……。うざ。 「う、歌えません」 「なんでもいいんだよ。歌え!」  ここの歌なんて知らないよ……どうすんのよ。
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