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男の人は馬から降りると腰を抜かしていたわたしを引き起こしてくれた。
「大丈夫か?」
うおおおっ! まぶしっ! めっちゃまぶしい! 目がやられる! チカチカするぅ……!
目の前の男の人はすっごいイケメンだった。背が高くて色白で、目鼻立ちがキリッとしてて、でも優しげで爽やか……。さらさらの長い黒髪が風になびいて、王子様みたい!
脳が勝手にキラキラエフェクトかけてきて、マジでまぶしい。
「どうした? 話せないのか」
「い、いえ、何もありません。だ、大丈夫です」
「家はどこだ?」
「し、知りません」
まぶしくてまともに顔を見れないから良かった。そうじゃなかったら、落ち着いて話せない。
「知らない? 記憶を失くしたのか? 一緒に来るか?」
わたし……知らない人と話すの緊張するのよ。人見知りするのよ……。男の人は特に。
「い、イケメンと言えど、知らない人にはついて行けません。お、お気遣いありがとうございます。し、失礼します!」
イケメン、優しい……。
でもとりあえず、走って逃げた。イケメンと言えど、男は男。関わりたくない。
ここの世界のことは全く知らないし、何があるか分からない。注意しないと。
わたしは全速力で走ってイケメンから離れた。
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