1 まぶしっ!

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 この体、すごく軽い! めっちゃ早く走れる! すごい!!  そういえば、神様が体力増加とか武芸とか何か言ってたな? それか! もともと体を動かすのは好きだけど、これだけ動けたら何をするにも楽しそう! 「えん!」 「ちょっと、えん!」 「えんー!!」  誰かが何か騒いでる?    後ろを振り返ると、おしとやかそうなこれまたすんごい美人が、護衛っぽい人を伴って誰かを探している様子だった。 「えん!」  すんごい美人がわたしの方に駆け寄ってきた。 「?」 「どこに行ってたの!? 危険よ! 早くこっちに来なさい!」  すんごい美人がわたしを物置小屋みたいなところに引っ張って行く。 「……あの? 誰ですか?」 「どうしたの? 頭でも打ったの?」  美人は本気でわたしを心配している様子だった。 「とりあえず、早く隠れて!」 「いたぞ!捕まえろ!」  遠くで声が聞こえた。 「お嬢様! お逃げ下さい! 孫策軍です!」 「逃げるわよ! えん!」  美人は私の手を取り、走りだした。  ──遅っそ!    これ捕まる……。美人さん遅っそ!  護衛よ、頑張って追っ手を倒して時間を稼いでおくれ~。頼む!
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