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願いはむなしく、容易く捕まってしまった。
護衛の役立たず!
美人は縄をかけられてしまい、次にわたしに縄がかけられようとしていた。
これ、やばいやつ? 売られる? ここに来ていきなり売られるの?
両手を後ろで掴まれた。痛い! 触るな!
「やめて! 一体何なんですか!」
「暴れるな! お前らの街はもう落ちたんだよ。お前らは今から捕虜だ」
男たちに指示を出しているリーダーぽい人が言った。
「……ほりょ……? 捕虜!?」
「大人しくしておけば、危害は加えねぇ。そういう命令だ」
「……やだ……やだやだ!」
捕虜なんかまっぴらごめん。
「こら、暴れるな! 静かにしろ!!」
「やだやだやだややだやだ!!」
「このアマ……」
リーダーっぽい男が殴りかかってきた──!
これだから男は嫌い! すぐ力で解決しようとするんだから!
目を閉じ歯を食い縛ろうとした。が、目は閉じられず、殴りかかってくる男の動きを捉えていた──。
──わたしの体は男の拳を避けた!
わたしが避けたせいで、殴りかかったリーダーっぽい男の拳は、わたしの後ろにいた男に当たった。
敵はまだ何人かいた。が、怯むことなく体が勝手に動いて、どんどん敵を倒していく。
この体、すごい! わたし、強い! ひやっほぅ!!! 男なんてボッコボコにしてやる!
あっという間に全ての敵を倒してしまった……。
美人の縄をほどいて逃げようとしたその時、さっき会った王子イケメンが馬上で唖然とこちらを見つめていた──。
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