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で、もうひとつ大事なことがある。俺と二郎君の関係も少しだけ進展した。進展、と呼んで良いのかはよくわからないが。まあ、何と言うか、端的に言ってしまえば、二郎君にちんこを扱いてもらった。自分でするのとは全然違う気持ちよさだった。すごく嬉しかった。そしてすごく恥ずかしかった。二郎君が髪質をやたら褒めてきたから。辞めて、そういうのほんと恥ずかしいから。おかげで終始二郎君の顔を見られなかった。見たかった。どんな顔をして俺のちんこ擦ってたんだろう。
「今度晩ごはん食べに来てくれませんか」
二郎君の声で我に返った。
「干物一緒に食べたいです」二郎君が言った。俺は頷いた。周囲をちらりと見て客足が落ち着いてきたことを確認してから口を開いた。
「あの、二郎君」
「はい」
「横須賀旅行の話なんですけど」
「はい」
「えー、そのー、ホテルで」
二郎君が目を逸らす。察した模様。
「触ってくれたじゃないですか」
少しの間の後「はい」と頷く二郎君。
「俺あの後すぐ寝ちゃったし、まだお礼できてなかったなと」
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