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「どう、反省した?」
「反省した」
祐樹はそう問いかけるが、お仕置きをまだやめる気配はない。手元の毛糸玉はもう五個めを終わりかけていた。
「手は痺れてきた?」
「ちょっと」
「じゃあ今回はこれくらいにしようか」
あくまでお仕置きなので、俺の状態を見てやめてくれる。祐樹が優しいというのもあるのだろうが、愛されてるなと実感できるのが嬉しい。
「ほら、おいで」
そう言って俺の肩を抱き寄せ、祐樹の膝へと誘う。おとなしく倒れ込めば、手のひらでゆっくり優しく頭や背中を撫でてくれる。まるで扱いは大型犬のそれだ。それでも俺は目がトロンとするのを抑えられない。
「今度からは頼んだことくらいちゃんとやるんだよ」
「うん」
「言われたらすぐやる。もう、何度目かなこれ言うの」
「うん」
「もう、本当に反省してる?」
「うん」
少し呆れたように言うも、その口は笑っていた。
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