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 土曜を迎えた。早朝5時。  いつも以上に早く目が覚めてしまった。脳が少し興奮気味なのだろう。  なぜなら───────────────  祥平君がウチに来るから。  自分から祥平君を誘っておきながら、めちゃくちゃドキドキ緊張している。そしてこの事態に動揺している。  とは言え、相手は年下男子。変なことにはならないだろうと自分に言い聞かせる。  でも、高3男子。立派な大人の男。どうにかなっちゃう展開になったら、私……、  と、一人勝手に無限ループしながら、早めの朝食を摂り、部屋の掃除を始めた。  午前10時過ぎ。私はカレー作りに取り掛かった。  料理は割と得意な方で、普段から自炊している私にとっては腕の見せ所だ。食材は前日のうちに調達済み。準備万端。気合いを入れて野菜をカットした。  ニンジンを星型にかたどったり、サラダに添えるリンゴをウサギにしてみたり、普段は決してやらないことだけれど、祥平君を喜ばせたい一心で無我夢中だった。  まるで、彼氏を待つ彼女のように……。  しかし、ふと我に返る。  私、何はしゃいでるんだろう…。  ただのお礼なのに。ただそれだけのことなのに。私、おかしいのかな…。  少し虚しい気持ちが私を襲った。  ゆっくりとコトコトとカレーを煮込み、祥平君からの連絡を待った。  ご飯も炊き上がり、カレーは完成。私のドキドキわくわくは最高潮だった。  スマホの通知音が鳴った。時計を見ると12時半。予想通り祥平君からだった。  一気に緊張がこみ上げる。     もうすぐ電車降ります。     駅まで迎えに来てください。  少しお洒落をして、私はアパートを出発した。
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