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 祥平君の腕の中は、とても温かかった。このままずっと祥平君に包まれていたい、そう思う程だった。 「玖実さん、大丈夫ですか?」  ハッと我に返る。  一気に恥ずかしさが込み上げてきた。 「ご、ごめん!」  思わずパッと祥平君から離れた。 「や、やだなぁ、私ってばホントおっちょこちょいで…。いっつもこんな感じ。かっこ悪いでしょ?ゴメンね…。」  私は、耳まで真っ赤になっていく音を聞いた。 「そんな玖実さんも、可愛いです。」  …………えっ?  私はドキッとした。  “そんな玖実さん()”って…、それってどういうことなんだろう…。  瞬時にときめいた。 「あ…、そ、そうだ、カレー食べよ!祥平君座って!」  必死に動揺を隠しきろうとするが、隠しきれていない自分がいた。それがまたさらに恥ずかしかった。  ドキドキしながらカレーをお皿に盛り付ける。さっきのドキドキと、私の作ったカレーを美味しいと言ってくれるかどうかの不安のドキドキが、複雑に入り混じる。 「はい、どうぞ。お口に合うかな…。」  私は祥平君にカレーを出した。スープとサラダも一緒に出して、私は祥平君の向かい側に座った。 「うわー!めっちゃ美味しそう!いただきます!」  そう言って祥平君はカレーを一口食べた。  どうかな……。祥平君の反応が気になった。 「うん、最高に美味い!玖実さん料理上手ですね。」  私はホッとした。そして、祥平君と一緒にカレーを食べた。  
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