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 カフェラテの入ったカップが空っぽになり、私は改めて祥平君にお礼を言った。 「あの…、今日は本当にありがとうございました。祥平君に声を掛けてもらえなかったら、私、きっと本当にホームから飛び降りてたと思う。」  私はカップを握り締め、ついさっきの自分の行動を思い返した。私はとんでもなく恐ろしいことをしようとしていたのだ…。 「いえ。俺も思い切って声を掛けて良かったと思ってます。玖実さんの様子見てたら、もしかしたらヤバいのかもって…。咄嗟の判断でした。物凄い勢いで泣いてたのに、急に泣き止んでゆっくり前進するもんだから、これはもう飛び降り確定だなって。」  私が泣きじゃくっていた頃から全部見られていたのか……。何だか恥ずかしくなった。 「ご、ごめんなさい。もうあんなことはしません…。」 「本当に?俺と約束出来ますか?」 「も、もちろん!本当に。これはもう本当に大丈夫ですから。」  祥平君が微笑んだ。とても柔らかな表情で。 「良かった。今回の “ 大丈夫 ” は本当のようですね。」  私もつられて微笑んだ。 「笑顔が見られて良かったです。玖実さんは笑ってる方が素敵ですよ。」  何気ないこの言葉に、私は思わずキュンとした。出逢って間もない年下男子にときめくなんて……。 「あ、あの…、どうして私を助けようとしたの?」  祥平君の表情が一瞬曇り、黙り込んだ。 「ご、ごめんね。私変なこと聞いちゃったかな。そうだよね、理由なんてないよね。何言ってんだろ、私。」 「7年前、俺の姉が地下鉄のホームから飛び降りて、自殺したんです。」
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