1人が本棚に入れています
本棚に追加
解剖台の上のミシンとこうもり傘を連想した。
そして、この二つの器具は、
どちらも人間の肉体に作用して、
苦痛を与える道具であるのを思い出した。
そこで彼は、この新しい拷問具が、
どんなふうに使われるか見ようと、
目を大きくみひらいて待っていた。
すると彼女は、ミシン針を手に取りながら、
彼のほうへ近付いてきた。
彼が身をこわばらせて見ている前で
彼女の指先は、
まるでその金属の先端で、
相手の肉を引き裂くかのように、
ゆっくりと動いていった。
それから、今度は、
その手をゆっくり動かして、
針の先端を彼の皮膚の上に軽く押し付けたまま、
じっとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!