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01
夏の盛りはエアコンとお友達にならざるを得ない。
いくら自然豊かな環境にあるクローザーのオフィスとはいえ、夏はやはり暑い。どころか、自然が豊かなせいで様々な問題も起きていた。
「ああああああ、もう! なんなんすか、この蚊! もう2032年ですよ、こいつら撲滅するいい方法ないんですか!」
調子の悪いエアコンが休暇をとってまだ小一時間ほどなのだが、修理の業者が到着するまでの間をサーキュレーターとコントロール室のエアコンをフル稼働し扉を開放することで凌ごうとしていたクローザーのオフィスで、赤城がファイルの束を手に叫んだ。
「あ、蚊ってさ。足の裏にーあ、そうそうイソ吉菌だ、イソ吉菌がいると寄ってくるんだってね。イソ吉氏がいっぱいなんじゃないの、赤城くん」
非常用の氷嚢を頭に乗せた時宗が、だらりと椅子にかけながら応えた。
「誰ですか、そいつ。俺の足にそんなのいませんよ。いたら家賃とってやるっつーの。はい、頼まれてた書類!」
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