CLOSER 事件No.3 「箱庭遊戯」

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「それたしか……あ、いや。まあ、ね。たしかに事件はないけどね。僕たちが忙しくない方がいいわけよ、本来は。いいじゃないの、忙しくなったらできないようなデスク整理とか、書類の整理とか、データの整理とか掃除とかやれることはいっぱいあるわけよ」 「それはそうなんれすけどー……時宗さん。あの、ちょっと前から気になってたんすけど」 「んー?」 「あーやっぱいいっす」 「なんだよ、気になるよ。言いなさいよ」 「……なんっつうか。俺らのとこに来る案件って、変わってません?」 「どゆこと」 「いやほら、未解決の重大事件って山のようにあるじゃないすか。なのに俺らへの捜査指示は滅多に来ない。たまーに出たと思えばマイナーな事件ばっか。この間の耳事件なんて、耳やたら見つかるし一見すると派手だけど、結局は未許可で勝手に恋人の耳を製造してたってだけでしょ。被害者すらいないっしょ」
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