癒しの時間(3)

3/4
1156人が本棚に入れています
本棚に追加
/229ページ
「クリストファー様も、こちらに来ますか?」  そのため、セイディはそう声をかけてみる。多分、断られるだろうな。そう思ったのに、意外にもクリストファーはセイディのすぐ側にやってくる。そして、そのまま頭を差し出してきた。……撫でろということ、らしい。それを察し、セイディはクリストファーの赤い髪を撫でる。その髪はさらさらとしており、とても撫で心地がよかった。 「クリストファー様も……頑張っています、ね」  おまけとばかりにそう言えば、クリストファーは何も言わないものの首を縦に振る。どうやら、満足してくれたらしい。それにホッと一安心しながらも、セイディはクリストファーの頭を撫でる。彼は、抵抗しない。どうやら心地が良いらしい。 「オーティスも、どう?」  クリストファーを褒めていれば、ルディがただ一人硬直するオーティスに声をかける。それを聞いたからか、オーティスは「セイディさんだって、疲れているんだぞ……!」と言いながら、あたふたしている。が、すぐに興味があるのかこちらに視線を注いでくる。それを見て、セイディは目を細めて「これくらいは、問題ありません」と言葉を発した。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!