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リビングにはこれ以外にもあと3体、四肢のばらけた死体が転がっていた。性別の内訳は女が2人、男が1人。3人の胴体や手と足、頭部に肩口がそこいらじゅうに適当に放り出され、切り口が顔を覗かせている。骨まで見事に断ち切られた腕や足の断面は惚れ惚れするほど鮮やかだった。中心を通る白い骨の周りにこびり付いた肉と筋繊維。白と黄が混ざり合った脂肪のコントラストが月の光に映える。まるで色彩豊かで力強く動的に描かれたバロック絵画のようだ。
リビングの壁や床、天井はバケツ一杯の赤い塗料をぶちまけられたように汚らしかった。酸鼻極まる光景。
死者を弄び、蹂躙し尽くすことの何と面白いことか。生きている人間を辱めるのも面白いが、死んだ者の尊厳を踏み潰す行為は男にとって最も愉快なことだった。太腿に触れていた手を後ろに回し、肉人形の肛門に指を突き入れる。ぬるりとした粘膜が人差し指をベールのように覆う。鋭く伸びた爪で中を荒々しくかき混ぜると直腸が傷だらけになってしまったのか、血の入り混じった生暖かな腸液がだらだらと指から腕に伝って垂れてきた。前立腺を刺激された肉人形のペニスはむくむくと膨張し、幾筋もの血管が浮き出た。あまりにも蠱惑的で雄々しいペニスの佇まいに男はくらくらと眩暈を覚える。
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