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一回目の嘘
私は嘘を吐くのが上手い。
いや、上手かった。
だけど貴方に出逢ってから全てが狂った。
でも貴方に出逢ってなければ今頃、生きていただろう。
「ありがとう。大嫌いだよ。」
そう言い私はまた一つ嘘を吐いた。
昔から私は嘘吐きだった。大体幼稚園児の頃から嘘を吐き始め、小学三年生の頃には大人も簡単に騙せるような嘘を吐ける様になっていた。
それに、嘘を吐くのは意外と簡単で、その場の雰囲気や相手や声のトーン、仕草などや目線をバレない様に「普通」に演じれば、「いい嘘」を吐ける。それも相手にバレない様な。
小学生の頃は、勉強や宿題関連の嘘を吐いた。最初はバレて怒られる時もあったけど、段々上達して、よりリアルティを出せるか研究する様になった。そのお陰で更に上達した。幸い、授業が普通に受けていたからある程度は分かっていた。
最初は嘘を吐く事に罪悪感が少しあったけど、今はそんな考えも微塵に無くなってしまった。きっと私はどの人よりも、どの生物よりも滑稽で惨めだと思う。
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