さよならポチの小屋

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小4の夏休み。 忘れもしない、あれは8月7日の日曜日。 地元では七夕まつりがやっていた。 本当は家族と行く予定だったが俺は運悪く両親ともに仕事が入ってしまって、家で一人遠くに見える花火を眺めていた。 そんな時、突如空がぴかりと光る。 花火とは異なる、青白い閃光を放つ物体。 次の瞬間には家の庭に真っ黒い何かが落ちてきて、それはうちの庭に置いてあったポチの犬小屋を木っ端微塵に破壊した。 その時ポチといえば、親が仕事で留守なのをいいことに俺が部屋に連れ込んでいたため無事だった。 花火の破片が落ちてきたんだろうかとポチを抱きかかえたまま戦々恐々としながら窓から外を伺い見れば、その黒い物体の扉らしきところががちゃりと開く。 俺とポチはその現場を固唾を飲んで見守っていたが、そこから出てきた見慣れない姿に思わず息を飲んだ。 「...エイリアン..、」 状況は、実にカオスだった。
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