僕は彼女に実花(ミカ)と名づけた

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僕は簡単に考えていた。 カラスを追い払うぐらい簡単だと… 先ずは、CDレコード?だったっけ、 あれをぶら下げて鳥よけにしている光景をよく見る。 早速、やってみた。 効果があるのか分からないが、カラスは襲って来ない。 少し安心した。 ツボミは膨らみ始めると日に日に大きくなって花が開き始める。 そして同じように、遠くで見ていたカラスが日に日に近づいて来た。 ツボミが五分咲きの頃、カラスは30メートルほどまで近づいてきた。 こちらをじっ~と見つめて木の上に止まっている。 「いよいよ来るのか…」 だが、まだ来ない! 次の日の朝… 「あっ!」 僕は思わず声を出してしまった。 梅の木を囲うように半径20メートルのところで、カラス達、いや、カラス共が囲んでいた。 数は約30羽ほど…不気味である。 僕は慌ててホウキを取ってきた。 少し短いが近くには物干しざおをもある。 いざとなれば、物干しざおで…と考え見構えた。 しかし、この日は襲って来なかった。 おそらく、夜になって僕が居なくなるのを待っているのかも知れない。 僕は用心のために、この日から夜も見張ることにした。 僕はカラスと睡魔に勝たなくてはならなくなった。
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