僕は彼女に実花(ミカ)と名づけた

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カラス達は襲って来ない。 「なぜだ?」 「何を待っている?」 「……!」 「しまった!」 「僕は何てバカなんだ! カラスと睡魔と戦う? だと…」 「飲み物も食べ物もない。僕は何も用意していなかった」 「カラス達を見た瞬間、衝動的に戦うと…」 「あの時なら直ぐに何か…もっと他の物も用意出来たかもしれなかった」 「だが…今は…もう…無理だ」 「奴らは少しずつ近づいている」 「今更、ここを離れる訳にはいかない」 「今は何時だ? 太陽が少し傾き始めている。もう直ぐ夕方か…?」 「夜の暗闇で襲ってきたら…」 「何てバカなんだ…」 やがて不気味な夜が僕を襲う… 真っ暗な闇の中でカラス達の鳴き声… バサバサと羽音をたてる…カラス 喉がカラカラに乾いている。 なのに、汗が…水分が欲しいのに汗が出る。 「フッフ」 矛盾している。
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