1人が本棚に入れています
本棚に追加
カラス達は襲って来ない。
「なぜだ?」
「何を待っている?」
「……!」
「しまった!」
「僕は何てバカなんだ!
カラスと睡魔と戦う? だと…」
「飲み物も食べ物もない。僕は何も用意していなかった」
「カラス達を見た瞬間、衝動的に戦うと…」
「あの時なら直ぐに何か…もっと他の物も用意出来たかもしれなかった」
「だが…今は…もう…無理だ」
「奴らは少しずつ近づいている」
「今更、ここを離れる訳にはいかない」
「今は何時だ? 太陽が少し傾き始めている。もう直ぐ夕方か…?」
「夜の暗闇で襲ってきたら…」
「何てバカなんだ…」
やがて不気味な夜が僕を襲う…
真っ暗な闇の中でカラス達の鳴き声…
バサバサと羽音をたてる…カラス
喉がカラカラに乾いている。
なのに、汗が…水分が欲しいのに汗が出る。
「フッフ」
矛盾している。
最初のコメントを投稿しよう!