7月22日、小雨

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「こんにちは本村さん。今日はお買い物じゃなく、挨拶だけ」  囁くような声は先輩に聞こえないよう気遣ってのことだろう。ゾクリと身震いするほど甘いそれは、もう圭のものになることはない。 「実は付き合うことになって、今からお家デートなんです。本村さんはたくさん相談に乗ってくれたから、一番にお礼を言いたくて」 「おめでとう。力になれたかはわからないけど、上手くいって良かったよ」  思ってもない言葉は声が震えて上手く発せなかった。もしかしたら彼女にすら見抜かれたかもしれない。  だけどそんなことはもはやどうでも良かった。  そして、悲劇はまだ終わらない。
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