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ジリジリと太陽が照りつける中、僕は歩いて駅に向かう。10分で着くのだが、かなり暑い。
バスターミナルの待合室が日陰になっていて、そこに集まっているマダム達に混じって悟が居た。
「おーい。悟」
悟がこちらを向く。
「おー。って、何アイス食ってんだよ!」
「いやだって、幾ら駅近でもこの暑さは殺人レベルだぞ」
「これから何か奢ってやろうってときに・・・おい、俺にも一口」
悟がこっちに手を伸ばすが僕はアイスを口の中に全部押し込む。
「おいー」
「はっへ、おはへのひほふひおおひいらん、はふはる」
そして僕に歯の痛みがやってくる。
「知覚過敏か。ざまぁみろ」
悟が鼻で笑う。
「おい、知覚過敏バカにすんじゃねーぞ。めっちゃ痛いんだから」
はいはい、と言いながら悟はスマホを弄り始める。
「にしても駅周辺って色々あるよな。なにがいいんだ」
僕は太陽で髪の毛が焼けそうだから日陰に入る。
そして見渡すとデパートが立ち並んでいる。
「なあ、デパートは高いから対象外か?」
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