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悟がこっちを見て怒る。
「お前、大きい声で高いとか言うなよ」
「だって実際そうだろ。で、どうなんだ?対象外か?」
「対象・・・外、だ」
悟は視線を逸らし、ほら見ろ、と僕は腕を組む。
すると周りにいるマダムたちからクスクスと笑い声が上がる。・・・居たたまれない。
「場所、変えるか」
「ああ」
小声で話し合い、移動することに。
ただ日に当たると暑い。とりあえず僕らは対象外のデパートに入る。
「あ〜、涼しい。最初から入ってればよかったな」
「こんなところで待ち合わせしたら、ここで奢ることになるだろ」
悟がブツブツと言っているが、僕は近くに置いてあるフロアガイドの冊子を取りパラパラと見る。
「おー、なるほど。なあ、悟が奢れそうなのはあるか?ちょっと腹減ってきた」
時計を確認すると12時半を過ぎている。
僕はフロアガイドを悟に渡す。悟は受け取るとフロアガイドとにらめっこを始める。
「んー、お、これならいけるぞ」
悟が指差したのは、有名なハンバーガー屋だった。
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