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俯いてしまった僕をばあちゃんは優しく抱きしめて、背中をポンポンとされる。
「凛々花ちゃんを守ってあげて。任せたわよ、まこちゃん」
「うん」
僕はしっかりと頷く。
すると、ばあちゃんは少し体を離してニコッと笑う。顔は南凛々花なのだが、そのときはばあちゃんの顔が重なって見えた。
そしてそのまま力が抜けて僕に凭れ掛かる。覗き込むと眠っている。
・・・行っちゃったのか。
すると段々と僕の視界がぼやけて、でも何故か笑いが込み上げてくる。
僕らを巻き込んだばあちゃん。最後にちゃっかりお願いも残して、ほんとに自由だなぁ。
眠っている南さんを抱きしめたまま涙を流して、でも笑っている僕を周りの人が怪訝な顔を向けてくるが、全く気にならない。
「・・・ありがとう」
お盆の時期に訪れた奇跡。
ばあちゃんが繋げてくれたこの出会いそしてこの恋心をひと夏なんかで終わらせない。
僕は南凛々花を強く抱きしめ、そう誓った。
〜本編完〜
もう少しだけ続きます
おまけ話『その後の2人』
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