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何となくロードス語りの第二夜。
ストーリーとして、ロードス島戦記がその当時、特筆して面白いか。と問われると、少々疑問が残るのが私の印象。そしてヒロイック物としては、当作品は些か変化球気味であろうと考えている。
その変化球と言うのは、【全シリーズを通して、主人公が交代を繰り返している】と言う点。これは元がテーブルトークRPGに於ける【リプレイ】をそのストーリーの下地にしていると言う前提がある。
これはテーブルトークRPGに於ける最初の作品にして最大級のヒット作品【ダンジョンズ & ドラゴンズ】=D&D及び、その発展系AD&Dをその母体にしていて、このD&Dにもそのシステム、世界観を下地とした物語、或いはゲームシナリオが存在しており、それらをもとに小説化されたものも多い。
私が読んだのはドラゴンランス戦記、ムーンシェイ・サーガ、プール・オブ・レイディアンス、この辺りか。大体が富士見書房刊ですな。この辺のストーリーからすると、ロードスは正直物足りないと言うか、二番煎じ感があると言うか……。時間軸的にはほぼ同時期展開?ドラゴンランス戦記が若干先行してたのかな。
当時は私も幼かったし、やはり先行している欧米ファンタジーより日本はまだまだレベル低いよなぁ〜と、若干馬鹿にしていた部分があったことはきっちり認めておく。それもまあ、今じゃ古典ファンタジーとも言われる指輪物語、ナルニア国物語、ゲド戦記と言う【古典三作品】と言う聖典の存在がね、後発の【ファンタジー作品】を劣るものとして見下していた、と言えるかも知れない。
……古典三作品、と言う言い方はさっき私が思いついただけで、そう言う呼ばれ方を実際しているかは知らない(笑)オズの魔法使いを加えて古典四天王と言うことも考えたし、ナルニア国をオズと変えても構わんかなとも思う。
あとミヒャエル・エンデの【はてしない物語】【モモ】は児童文学という印象が強いのでここに【オズの魔法使い】を加えて【古典児童文学三作】と見なすことも個人的には思考している。
閑話休題、話しを戻す。
ロードス島の物語を変化球としていても、それはあくまでも日本国内に同時期展開していた作品と比べて、と言う意味でストーリーに於ける登場人物の主体が変化するのは、ゲド戦記などにも見てとれる。
【長い時間をかけて語られる】
物語に於いては定番な形ではあるが、やはりマンガ文化がファンタジー小説よりも市民権を得ていて、尚且つ勢いがあったのはジャンプ作品、【友情・努力・勝利】を基軸とした王道バトルもので、今のライトノベルの【流れ】はやはりキャラ立ちを意識した、バトルものであり逆説的に考えて【漫画・映像化される事】を前提としている側面が、ラノベには存在する。
と言った事を以前にも言及していたのでここでは詳しく語らない。
キャラクターを意識した場合、その物語における主人公はなるべく【交代させない】ことが、ヒットの秘訣。と言うか、そのキャラクターで人気を得ていながら、シリーズの途中で交代させると言うのは、一から次の主人公、一新されたキャラクター達に対して、ファンを獲得し直すリスクを負う。マーケティングとしては正直なところ、上手い一手とは言えないのではないかなと。
それ故に、と言うわけではないのだけれど、ロードス島戦記を【ライトノベル】と言うには些か抵抗があるのね、やはり私としては。ラノベとしては変化球であっても、ある意味に於いては王道を貫いたファンタジー作品であるところのロードス島戦記。まだ未読の方は一度読んでみる事をお勧めする。
……後発のロードス島伝説、新ロードス島戦記は【ライトノベル】と言っても良いけどね。
ほんと、スパークってば不幸よね。新シリーズ【誓約の宝冠】で余計にそう思ったわ(笑)
……その辺の話し、次回にする?(笑)
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