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提出、
「花守夏真くん、だよね?昨日の2限目にあった現社のプリント、だせる?」
金色に染まった髪、片耳4個のピアス、身体中の傷。
当然だが、誰からも声はかけられず避けられていた。はずだった。
他人に声をかけられるのが久びさで、間抜けな顔をしていたに違いない。
「聞いてる?あ、分かった。花守くん、もしかして…」
突然声をかけてきたと思えば、次は何を言い出すんだ、と身構える。
もしかして、変な匂いしたか…?
「言ってくれればいいのに。授業中眠たくて寝ちゃったんでしょ?「出そうにもやってないから出せないし、どうしようかなぁ…」って考えてたでしょ!どう?当たってる?」
不正解だ。
不正解だが、変なことを言い出す男に夏真は面白くなり笑ってしまう。
「あはははっ、お前、おもしれぇや!」
「っ!」
息を飲む音が聞こえ、夏真は不思議に思い笑うのをやめて男を見た。
男は顔を赤く染め、口をパクパクしていた。
なんだこいつ、なんて思いながら男をじっと見る。
「あうっ、かわいいっ!結婚して!」
「は?」
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