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おはようのデート
「おはようはなも…な、夏真くん!一緒に登校デートしたくて来ちゃった」
行ってきますもなしに玄関を開けると、目の前には誠が立っていた。
夏真は、立っている誠を見てときめいたが、セリフにとろけた。
「おはよう、誠。俺も、したい。登校デート」
家の鍵を締めながら、夏真はそう言った。
鍵を締め終わると、誠の腕に勢いよく抱きついた。
「あぅぅ…夏真くんって甘えんぼさんなんだね…生きてるだけで尊いのに、いきなりそんなことされると心臓止まっちゃいそう…夏真くん可愛い」
いきなり抱きついた夏真の頭を撫でて嬉しそうにする誠だが、嬉しいよりドキドキの方が勝っていた。
そんなことを知らない夏真は頭を撫でられた嬉しさに、誠の腕をギュッと抱きしめた。
「荷物、持とうか?」
「重くないからいい」
置き勉してるし、鞄の中身なんて財布とスマホとペンケースくらいだ、なんてことを鞄を持とうとしてくれる優しさにときめきながら、夏真は思った。
夏真の薄くて軽い鞄に比べ、誠の鞄はパンパンで重いと言うことが分かる。
置き勉をしていないと言う証拠だ。
「早くしよう、登校デート」
夏真の言葉により、甘々な登校デートが始まったのだった。
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