謁見

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謁見

今、私はスライム女王の前にいる。暗殺のターゲットが、すぐ目の前に…。 おしゃれなメイド服を着た人物が私に話しかける。 「先に言っておきますが、変なことはしないほうが良いですよ」 するもなにも…。私はゴーレム、ギガンテス、ミノタウロスに囲まれている。何もできやしない。尋常でない気配を発している男もいる。彼は何者だろうか? 次にスライム女王が私に質問してくる。 「なぜ、この城に来たの?」 「私たちは任務の内容を決して口外しない」 忍者は依頼者の秘密を守らなければならない。もしも信頼がなくなったら、この商売は終りだ。 「ロトト、どうなの? 私は人間のことが良く分からないわ」 「忍者は秘密主義です」 「ふう~ん」 「ただし、忍者の定番任務から考えると、この城に忍び込んだのは暗殺が目的です」 「暗殺って? 誰の?」 「スライム女王の暗殺です。俺やリポポを狙っても何の得もありませんから」 「ええ~っ、私ーっ!?」 ん、ロトト…。どこかで聞いたことのある名前だ。全く思い出せないけど。 今度はロトトと呼ばれる男の隣にいるローブ姿の女が話しかけてくる。 「ロトトの言う通りだと思う。侵入目的はスラちゃんの暗殺ね。問題は誰に依頼されたかだわ。まあ、以前にこの城で贅沢していた人たちの誰かじゃないかな。城の内部事情に詳しい人物は限られているし」 この女、意外と頭がキレるわね。何者だろう?
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