5人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
続けてメイド姿の女が私に言う。
「依頼者は誰なのですか? このままでは捕えた2人の忍者仲間だけでなく、あなたの一族が滅ぶことになります。正確に言えば、一族と言うよりも、あなた達の暮らしている国そのものが消滅することになります。しかも今晩のうちにね」
私はそんな脅迫には屈しない。今晩のうちに私の国が消滅するだと? 夜明けまではあと数時間しかないのに。
「やれるものならやってみろ!」
私の挑発に対してスライム女王はさらっと言う。
「やっちゃって良いのかな?」
「えっ?」
ローブ姿の女が、女王とロトトと呼ばれる男を見ている。
「スラちゃん、許可が出たから…そうする? 別に暗殺の依頼者は誰でも良いわ。どっち道、ロトトが世界を征服したら未来は同じよ」
「大魔王さまがそう言うなら…」
大魔王さま? このローブをまとった弱そうな女が!?
メイド服の女が続けて話し出す。
「まあ、次に狙われても暗殺は無理でしょうね。この城は大魔王リポポさまの別荘みたいなもの。城の中を自由に行動できる人間が存在するのかは、大いに疑問があります。それほどレベルの高い猛者は数える程度しかいません。しかも最強の勇者ロトトは、ここにいますからね。仮にどこかの軍事国家が束になって攻めてきても余裕で返り討ちです」
メイド姿の女は何を言っているんだ。この国は一体? 私の疑問は深まっていく。
最初のコメントを投稿しよう!