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プロローグ
「カンパーイ!」
夜の闇がせまる頃、ここは町の居酒屋。日中の憂さ晴らしに多くの人々が訪れ、店は賑わっている。
店の個室には妖しげな2人の男がいた。彼らからは何やら不吉な話が聞こえてくる。
「お前はこの国の女王がスライムで良いのか?」
「いやあ、良いのかと言われましても…」
「ワシは大臣に戻りたい。昔のように威張って贅沢三昧したい」
「それは…。無理ですね」
「なぜだ? 」
「あなたは国民の信頼がありませんから」
「うるさい!」
「正直に言っただけです」
「ワシはチヤホヤされたい。邪魔なやつは暗殺するのじゃ」
「暗殺?」
「おぬし、スライム女王を殺れるか?」
「スライムは倒せると思いますが、私では女王の場所まで辿り着けません」
「誰かに依頼できぬか?」
「確か…。そうですね。とある国に忍者という暗殺の得意な一族がいると聞いたことがあります」
「おおーっ、でかした。それじゃ」
「お金がかかりますよ」
「そんなことは心配するな。ワシが大臣に返り咲けば、どうとでもなるわ。ガハハハ!」
コンコン。部屋の扉を叩く音がする。個室に若い女性店員が入って来る。
「失礼します。焼き鳥の盛り合わせとカツオのお刺身で~す。追加で注文承りますよ」
その女性店員のネームプレートにはワノノと書かれていた。
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